
科学における創造的な発見は、自分ひとりの力でなされるものではなく、直接・間接に先達の業績の蓄積の上に、同じ志をもつ仲間と築き上げていくものだと思います。私自身の経験からも、ノーベル賞共同受賞者の益川敏英博士と出会っていなければ、受賞理由となった6元模型の提案には至らなかったかもしれません。またその成果そのものも、長い試行錯誤の時代を経て素粒子の理解が一気に進んだ1970年代という時代背景抜きには考えられません。
HOPEミーティングでは、同時代をリードする研究者との交流の機会が豊富に用意されています。彼らがいかにしてその業績を生み出したかという経験に加えて、科学者としての姿勢や感性を共有することは、若い世代の研究者にとって将来必ず役に立つと信じています。また、今回の会議に参加するアジア太平洋地域の同世代の人たちとの交流は、同じく科学研究の道を志す者同士の触発を促すとともに、将来に続く友情を生み出すことでしょう。そのような絆を通じて、次々と新しい発見が生み出されることを期待しています。